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宅建の模試で点数が取れない——30点に届かない、回によって点数が大きく上下する。令和8年(2026年)の宅建試験は10月18日(日)13時〜15時で、本番まで約1か月です。筆者は宅建士(宅地建物取引士)で、宅建講座は運営していません。この記事では、試験を実施する不動産適正取引推進機構(RETIO)が公表している過去10年の合格点と、出版社が公表している模試の回ごとの基準点・目標点をもとに、模試の点数の読み方と残り1か月の立て直し方を整理します。分野別の問題数は予備校の集計、優先度は筆者の見解として区別して書いています。
結論:38点をゴールに、「その回の基準点」で今の位置を測る
先に結論をまとめます。
- 38点はゴール、その回の基準点は物差し。本試験の合格点は過去10年で33〜38点なので、最終目標は38点。一方、模試の点数は38点と比べるだけでなく、その回に出版社が示した基準点・目標点と比べて「今どこにいるか」を測ります(例:TAC『みんなが欲しかった!』の模試は回ごとの合格基準点が34・33・35・36点)。
- 失点は「知らない」「知っていたのに外した」「時間が足りない」の3つの型に分ける。型によって、残り1か月でやることがまったく違います。
- 取り返すのは宅建業法(以下、業法)と法令上の制限から。近年の出題実績(大手予備校の集計)で業法は20問・法令上の制限は8問あり、暗記量に対して点数が伸びやすい分野です。
- 新しい教材は増やさない。手持ちの過去問を肢ごとに○×で解けば一問一答の代わりになる。肢単位で回せる教材がない場合だけ、一問一答を1冊足す。
前提:本試験の合格点は過去10年、33〜38点で動いている
まず本試験側の物差しです。RETIOが公表している試験実施概況(令和7年度以前10年間)から、直近10年・12回分の合格基準点と合格率を抜き出しました。令和2年度と令和3年度は10月と12月の2回実施です。
| 年度 | 合格基準点(50問中) | 登録講習修了者(45問中) | 合格率 |
|---|---|---|---|
| 令和7年度 | 33点 | 28点 | 18.7% |
| 令和6年度 | 37点 | 32点 | 18.6% |
| 令和5年度 | 36点 | 31点 | 17.2% |
| 令和4年度 | 36点 | 31点 | 17.0% |
| 令和3年度(12月) | 34点 | 区分なし | 15.6% |
| 令和3年度(10月) | 34点 | 29点 | 17.9% |
| 令和2年度(12月) | 36点 | 31点 | 13.1% |
| 令和2年度(10月) | 38点 | 33点 | 17.6% |
| 令和元年度 | 35点 | 30点 | 17.0% |
| 平成30年度 | 37点 | 32点 | 15.6% |
| 平成29年度 | 35点 | 30点 | 15.6% |
| 平成28年度 | 35点 | 30点 | 15.4% |
この表から読み取れる事実は3つです。
- 基準点は33〜38点の幅で動く。12回の単純平均は35.5点です(筆者の計算)。
- 38点あれば、この12回すべてで合格点に届いていた。「38点を目標に」とよく言われるのはこのためで、この記事でも最終目標は38点とします。
- 登録講習修了者(5問免除)の基準点は、区分がある11回すべてで一般より5点低い。
RETIOは合格判定基準を試験ごとに発表しています(令和7年度は「50問中33問以上正解」)。一方で、基準点をどう決めているかの説明は公式資料に見当たりません。ですから「今年は何点で受かる」を事前に知る方法はなく、言えるのは過去の幅だけです。
模試の点数の読み方:出版社が公表する「回ごとの基準点・目標点」と比べる
次に模試側の物差しです。2026年試験向けの主要な市販模試について、出版社が回ごとに示している点数を並べました(各出版社の公式ページ・2026年9月確認)。回ごとの合格基準点を公表しているのは、4冊のうちTAC『みんなが欲しかった!』だけです。日建学院は回ごとの目標点を示しています。
| 模試(2026年試験向け) | 回ごとの点数 | 出版社の説明 |
|---|---|---|
| 日建学院『これで合格!宅建士直前予想模試』 | 目標点:第1回 37点/第2回 35点/第3回 33点 | 第1回は「高得点目標」、第2回は「標準レベル」、第3回は「法改正・新傾向対策」 |
| TAC『みんなが欲しかった!宅建士の直前予想模試』 | 合格基準点:第1回 34点/第2回 33点/第3回 35点/第4回 36点 | 目次に回ごとの合格基準点を表記 |
| TAC『本試験をあてる 直前予想模試』 | 商品ページに記載なし | Web採点で「TAC独自の基準」による合否判定を表示 |
| LEC『出る順宅建士 当たる!直前予想模試』 | 商品ページに記載なし | Web採点で成績表・得点分布・設問別正解率を表示 |
同じ1冊の中でも、回ごとの合格基準点は最大3点違います。たとえばTAC『みんなが欲しかった!』の模試で31点だった場合、第2回(33点)なら差は−2点、第4回(36点)なら−5点です。点数は同じでも、立っている位置は違います。4冊の比較と選び方は宅建の直前予想模試おすすめ4冊にまとめています。
そこでおすすめしたいのが、点数と一緒に「差分=自分の点数−その回の基準点」を記録する方法です。日建学院の模試は目標点との差になりますが、出版社は目標点を合格ラインとは説明していないため、他の模試の基準点との差分とは単純に比べられません(第1回は「高得点目標」と説明されています)。基準点が公表されていない模試は、Web採点の合否判定や得点分布で自分の位置を確認します。予備校の会場模試・公開模試を受けた人は、判定と平均点との差を記録してください。
- 差分がプラスの回が続いている:今のやり方を変えない。新しい教材を足さず、失点した肢だけを潰す
- 差分がマイナスでも、回を追って縮んでいる:方向は合っている。後述の「3つの型」でいちばん多い型に時間を寄せる
- 差分がマイナスのまま縮まない:解き方か分野配分に原因がある可能性が高い。次の章で型を切り分ける
「模試は難しいから、低くても気にしなくていい」と言われることがあります。たしかに難しめに作られた回もありますが、どの回がどれだけ難しいかは、出版社が示す基準点や目標点を見ないと分かりません。筆者は「難しいから大丈夫」とも「低いからもう無理」とも考えません。その回の基準点との差を追うのが、ぶれにくい読み方だと考えています。
登録講習修了者(5問免除)の方は、45問中の点数を「基準点−5点」と比べるのが目安です。本試験では上の表のとおり、区分がある11回すべてで5点差でした。出版社が免除者向けの基準を別に出している場合は、そちらを優先してください。
点数が取れない原因は3つの型——採点後に切り分ける
採点が終わったら、間違えた問題を1問ずつ次の3つに振り分けます。正解した問題でも、勘で当たったものは「知らない」に入れてください。
| 型 | 見分け方 | 残り1か月の手当て |
|---|---|---|
| A:知らない | 解説を読んでも「初めて見た」と感じる。4つの肢のうち判断できない肢が2つ以上ある | 過去問を肢ごとに○×で解き直し(または一問一答で)、同じ論点を繰り返し見る。業法・法令上の制限から先に |
| B:知っていたのに外した | 解説を読むと「知っていた」。「誤っているもの」を「正しいもの」と読んだ、個数問題で数え違えた | 知識は足さない。問題文の「正しい/誤っている」に印を付け、個数問題は肢ごとに○×を書いてから数える |
| C:時間が足りない | 最後の数問を読めなかった、後半ほど正答率が落ちる | 2時間通しで解く練習をし、解く順番を決める。1問あたりの目安は約2.4分 |
A型とB型は同じ1点の失点に見えますが、直し方は逆です。B型は知識の問題ではないので、テキストを読み直しても点数は上がりません。逆に、A型を解き方の工夫で埋めることもできません。自分の失点の何割がどの型かを1回数えるだけで、この先の1か月の使い方が決まります。
2時間通しの演習のやり方と、「間違えた肢」単位の復習の手順は宅建の直前予想模試おすすめ4冊の記事の「模試を得点に変える3ステップ」にまとめています。この記事では、その前段の「どの型から直すか」に絞ります。
分野別:どこで点数を取り返すか
RETIOは分野ごとの問題数を固定の配分としては公表していません。以下は、近年の出題実績として大手予備校(TAC・伊藤塾)が示している問題数です(税・価格の評定3問と免除科目5問の分け方は伊藤塾の整理)。優先度は筆者の見解です。
| 分野 | 問題数(近年の実績) | 残り1か月の優先度 | 理由(筆者の見解) |
|---|---|---|---|
| 宅建業法 | 20問 | 最優先 | 問題数が最も多く、条文の知識がそのまま点になりやすい。A型を潰す効果が最も大きい |
| 法令上の制限 | 8問 | 高 | 数字(面積・期間など)の暗記で解ける問題が多く、短期間でも上積みしやすい |
| 税・価格の評定 | 3問 | 中 | 範囲の割に問題数は少ない。頻出の税目に絞る |
| 免除科目(問46〜問50) | 5問 | 中(免除者は対象外) | 統計の問題は直前に最新の数字を確認するだけで取れることがある |
| 権利関係 | 14問 | 絞る | 判例の理解が必要で、伸びるまでに時間がかかる。頻出論点だけを押さえ、難問は深追いしない |
38点の内訳の一例として、STUDYingは宅建業法18点・権利関係10点・法令上の制限5点・税その他5点(税その他8問)を示しています。合格点に届かない人は、模試の分野別の点数をこの内訳と並べてみてください。差が大きい分野のうち、業法と法令上の制限から埋めるのが残り1か月では現実的です。
権利関係は問題数が多いぶん、直前期に時間を注ぎたくなります。ただ、模試の権利関係で落とした問題を1問ずつ理解し直すより、業法の「知らない」肢を1つでも減らすほうが、残り1か月では点数に結びつきやすいと筆者は考えています。
10月18日までの4週間の立て直しスケジュール
9月19日(土)から本試験前日の10月17日(土)までを、1週間ずつに区切った例です。平日は1日1〜2時間、週末は模試か復習に充てる想定です(模試は第2週と第3週)。
| 期間 | やること |
|---|---|
| 第1週 9/19〜9/25 | 手持ちの模試の失点を3つの型に振り分け、差分を記録する。平日は業法の過去問を肢ごとの○×で1周(一問一答でも可) |
| 第2週 9/26〜10/2 | 週末に模試1回(2時間通し・13時開始)。平日は法令上の制限の肢ごとの○×と、数字の暗記 |
| 第3週 10/3〜10/9 | 週末に模試1回。その回の失点の肢だけを潰す。権利関係は頻出論点に限って復習 |
| 第4週 10/10〜10/16 | 新しい問題は解かない。肢ごとの○×(または一問一答)で一度間違えた肢だけを回す。免除科目の統計を最新の数字で確認 |
| 前日 10/17 | 業法の間違えた肢を見直すだけ。持ち物を揃えて早めに寝る |
模試は4週間で2〜3回が目安です。回数を増やすより、1回ごとに「型の振り分け→差分の記録→失点の肢を潰す」まで終わらせるほうを優先してください。当日の持ち物は宅建試験当日の持ち物リストにまとめています。
「知らない」を潰す一問一答——2026年試験向けの2冊
A型(知らない)を潰すには、肢を1つずつ正誤判断する練習が効きます。手持ちの過去問題集を肢ごとに○×で解き直せば、それで十分です。肢単位で回せる教材が手元にない場合に限って、筆者は一問一答を1冊足すことをすすめます。宅建の本試験は四肢択一ですが、実際には4つの肢を1つずつ○×で判断する作業です。一問一答はその1肢分を切り出した形なので、模試の復習とそのままつながります。通勤などの細切れ時間でも回せます。
出版社の公式ページで版を確認できた2冊です(2026年9月確認)。
TAC『2026年度版 みんなが欲しかった!宅建士の一問一答式過去問題集』
- 過去問をもとにした一問一答。収録は1,138問(TACの公式ストアの表記)
- A5判で、答えを隠すシートが別冊で付く
- 向いている人:本試験で実際に出た肢の言い回しに慣れたい人。同じシリーズのテキストや模試を使っている人
注意:TACの公式ストアには次年度版の発売予定が案内されています。2026年10月の試験に使うのは「2026年度版」です。表紙の年度を確認してから購入してください。
▶ TAC みんなが欲しかった!宅建士の一問一答式過去問題集(2026年度版)をAmazonで見る
LEC『2026年版 出る順宅建士 一問一答○×1000肢問題集』
- オリジナル問題1,000問の○×形式。2026年4月1日時点で施行予定の法令に対応(LEC公式ページの表記)
- 新書サイズで赤シート付き。持ち歩いて回しやすい
- 向いている人:通勤時間に回したい人。2026年4月1日時点の法令に合わせて確認したい人
▶ LEC 出る順宅建士 一問一答○×1000肢問題集(2026年版)をAmazonで見る
買う場合もどちらか1冊で十分で、最初から全部を回す必要はありません。業法の章から使ってください。すでに一問一答を持っているなら、新しく買う必要はありません。価格や在庫は変動するため、各商品ページでご確認ください。
残り1か月で「やらないこと」
時間が限られる時期は、やることより先にやらないことを決めると迷いが減ります。以下は筆者の考えです。
- テキストを乗り換えない:新しいテキストの書き方に慣れる時間がもったいない
- 模試を何冊も買い足さない:解きっぱなしの模試が増えるほど、復習の時間が消える
- 権利関係の難問を深追いしない:Web採点の設問別正解率が低い問題は、多くの受験者も落としている
- 点数を他人と比べない:比べるのはその回の基準点と、前回の自分の差分だけ
宅建士として、講座を持たない立場から言えるのは「模試の点数は合否を決めない」ということです。決めるのは10月18日の2時間だけで、それまでの模試は、その2時間のための練習台です。点数が低かった回ほど、潰せる失点が多く見つかった回だと考えてください。(筆者の個人的な見解です。学習の成果には個人差があります)
宅建の模試の点数に関するよくある質問
Q. 模試で基準点を超えたら安心していいですか?
A. その回の基準点を超えたのは良い材料ですが、本試験の合格点は過去10年で33〜38点の幅で動いています。38点あれば過去12回すべてで合格点に届いていたので、余裕を持たせたい人は38点を一つの目安にしてください。超えた回も、失点した肢の復習は続けるのがおすすめです。
Q. 5問免除(登録講習修了者)の場合は何点と比べればいいですか?
A. 登録講習修了者は問1〜問45の45問を解き、試験時間は13時10分〜15時です。RETIOの過去10年の公表値では、登録講習修了者の基準点は区分がある11回すべてで一般より5点低くなっています。模試では「その回の基準点−5点」を目安に比べ、出版社が別の基準を示していればそちらを優先してください。
Q. 模試は何回解けばいいですか?
A. 残り1か月なら2〜3回が目安です。回数より、1回ごとに失点を3つの型に振り分けて、失点した肢を潰すところまで終わらせることを優先してください。市販模試の選び方は、宅建の直前予想模試おすすめ4冊の記事で比較しています。
Q. 本試験の自分の点数は、あとで分かりますか?
A. RETIOによると、令和8年度試験からはインターネットで申し込んだ人が、合格発表日(11月25日)以降にマイページで自分の得点等を閲覧できる予定です。郵送で申し込んだ場合の扱いは、RETIOの案内を確認してください。
まとめ:38点をゴールに、「その回の基準点」で位置を測る
- 本試験の合格点は過去10年で33〜38点なので、ゴールは38点。模試は出版社が回ごとに示す基準点・目標点との「差分」も記録し、今の位置を測る
- 失点は「知らない」「知っていたのに外した」「時間が足りない」の3つに分け、型ごとに手当てを変える
- 取り返すのは宅建業法と法令上の制限から。「知らない」は手持ちの過去問を肢ごとに解き直して潰し、教材は増やさない
▼この記事で紹介した一問一答(それぞれAmazonの商品ページへ)
・TAC みんなが欲しかった!宅建士の一問一答式過去問題集(2026年度版)
・LEC 出る順宅建士 一問一答○×1000肢問題集(2026年版)
試験日は令和8年10月18日(日)です。市販模試の選び方は宅建の直前予想模試おすすめ4冊、当日の持ち物は宅建試験当日の持ち物リスト、時間を計るタイマーなどの道具は社会人の資格勉強グッズ8選もどうぞ。健闘を祈ります。


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