TL;DR(結論)
- 何を試したか: 3か月放置していた100記事のWordPressブログを、記事を1本も消さず・URLを1つも変えずに、「AIで小さな事業をつくる実験記録」の母艦へ作り直しました。調査・実装・検証はAI(Claude Code)、私がやったのは方向性の決定と7つの判断だけです。
- 結果: 監査開始から本番反映まで約3時間(コミット時刻の実測)。ただしこれはPhase 2までで、その後の実装と最終承認を含めると足かけ2日です。既存URL変更0件・本文編集0件のまま、Home / About / ナビ / 全記事のプロフィールとCTAを刷新。ついでにスパムコメント407件と偽のFAQ構造化データという地雷も見つかって処理しました。
- 誰に役立つか: 「昔作ったブログを作り直したいが、記事を消したくない」「AIにどこまで任せられるか知りたい」人。
実験条件
| 項目 | 値 |
|---|---|
| 実施日 | 2026-08-12 〜 2026-08-13 |
| 使ったAI | Claude Code(Opus 5)— ブラウザ操作・REST API・スクリプトを併用 |
| 追加費用 | ¥0(この作業のための新規契約・プラグイン追加なし)。 ただし前提として、既存契約の生成AI・レンタルサーバー・有料テーマ SWELL の費用は別途かかっています |
| 本人の稼働 | 方向性の決定・7つの判断のみ(時間の実測は取り損ねた。測っていなかったこと自体が今回の最大の反省点で、次の実験から記録します) |
| 経過時間 | 8/12 11:26 開始 → 14:23 Phase 2本番反映(約3時間)→ 23:18 Phase 3実装完了 → 8/13朝 最終承認。足かけ2日(gitコミット時刻。並行作業・中断を含む) |
| 環境 | WordPress 7.0.3 / SWELL 2.16.0+子テーマ / Rank Math / Site Kit / エックスサーバー |
Before — 放置ブログの中身を数字で直視する
まずAIに、公開情報だけで全記事を監査させました(この段階では本番に一切書き込みません)。出てきた数字がこれです。
| 項目 | 実測 |
|---|---|
| 記事数 / 総文字数 | 100本 / 約509,800字 |
| 最終更新 | 約3か月前 |
| カテゴリー38個のうち記事0件 | 32個 |
| ナビ5項目のうち実質空 | 2項目(0記事と1記事) |
| 完全に同一タイトルの重複記事 | 1組 |
| タイトルに数字が入らないまま公開 | 3件(「ガジェット選」「総額万円」「効率倍」) |
| 直近28日の検索クリック (2026-08-12 時点の値) | 2回 |
| 直近28日のAdSense収益 (2026-08-12 時点の値) | ¥3 |
50万字の資産があるのに、検索クリックは月2回。「消して作り直す」誘惑に駆られる数字ですが、ここで最初の判断をしました。
私が決めたこと(AIに任せなかった7つの判断)
- ポジショニングは「AIで小さな事業をつくり、仕組みに渡す実験記録。」にする
- 「経営者」を前面の肩書にしない。Builder / 実践者として読める構成にする
- キャリアコンサルのページは保全する(削除・URL変更・noindex・リダイレクトすべて禁止)。ただし新ブランドの前面からは外す
- Search Consoleのデータが無いことを理由に刷新自体は止めない。リスクの高い施策(削除・統合)だけデータ取得後に回す
※本記事執筆後、2026-08-23にGSCデータを確認したうえで、完全重複1組のみcanonical統合を実施済みです - 記事分類は「仮分類」のままにする。確定アクションとして実行しない
- 本番公開は必ず自分が承認する(初期90日は「AI生成 → 本人確認 → 公開」)
- AdSenseのオーバーレイ広告をOFFにする(Googleアカウント操作を伴うため自分で実行)
逆に言うと、これ以外——監査・分類・実装・テスト・記録——は全部AIに渡しました。
What I did — 本文を1文字も編集せずに全記事を更新する
今回の設計の核はここです。SWELLというテーマには、1箇所の設定変更が全記事に反映される領域が最初から用意されていました。
- 著者ボックス: ユーザープロフィールを書き換えると、全100記事の記事下に新しいプロフィールが出る
- 記事下ウィジェット: 空だった領域にCTAブロックを1つ置くと、全100記事にCTAが出る
つまり「100記事を書き換える」必要はそもそも無かった。AIが監査でこの構造を見つけてきたことが、工数を大きく削りました。3本柱(AI Business / Build・Experiment / AI Workflow)は新規の固定ページ3枚とナビ・ウィジェットの表示設計だけで表現し、既存のカテゴリー構造には触れていません。
ナビの切り替えも「項目を削除して作り直す」のではなく、新しいメニューを別に作って表示位置だけ切り替える方式にしました。壊れたら数クリックで旧メニューに戻せます。
ついでに見つかった地雷 — スパム407件と偽のFAQ
監査の副産物として、放置期間に溜まっていた問題が3つ出てきました。
- コメント419件のうち407件がカジノ系スパム。承認済みで読者に見える状態で公開されていたものが21件ありました。スパム判定分はスパムフォルダへ移動し、確信が持てない12件はそのまま残しています(削除はしていないので誤判定でも戻せます)。以後の対策として手動承認必須+古い記事のコメント欄自動クローズを設定
- 偽のFAQ構造化データ。過去に入れた”AI検索対策”のコードが、記事の見出しを機械的にQ&A形式に変換して全記事に出力していました。実際にFAQが無いページにFAQマークアップを出すのは、構造化データの用途として適切でないと判断し除去しました(ガイドラインの解釈は変わりうるため、これは私の判断です)
- AdSenseの広告ローダーが記事で3重に読み込まれていた。手動で貼った広告コードが3箇所に重複。Site Kitが管理する1本に集約しました
What failed — AIは本番を壊した(そして戻した)
うまくいった話だけ書いても再現できないので、失敗をそのまま書きます。
AIが本番のAboutページを一時的に破壊しました。 経緯は、下書きデータの文字列置換に使った正規表現が想定より広く一致 → 壊れた下書きを本番へコピー → 本文5,116字が341字に。検証工程で数分内に気づき、ローカルに保持していた生成元データから即時復旧しています。
そしてもう1件、この時は気づけませんでした。同じ刷新作業のなかで、記事1本(/ai-agent-guide-2026/)の本文がデータベース上で文字列 undefined だけになり、広告ブロック2本しか残らない状態で公開され続けていました。発見したのは10日後の2026-08-23です。皮肉なことに、この記事は当時サイトで2番目に検索順位が良いページでした。
ここからルール化したのは「本番のデータを加工して別の本番データへコピーしない。投入は必ずローカルの生成元から」。他にも、設定画面に入力したはずの値が保存されていなかった(画面の作りの問題)、ツールの操作チャネルが数時間停止して作業が中断した、などがありました。中断時は「本番を中途半端な状態で放置しない」を最優先し、無変更であることを機械検証してから止めています。
Result — 変わったもの・変わっていないもの
変わったもの(実測)
- Home / About / ナビ / 全記事のプロフィール・CTA → 新ポジショニングへ
- 公開表示中のスパム: 21件 → 0件
- 構造化データ: 3系統+偽FAQ → 2系統(さらに2026-08-23に1系統へ。下の追記参照)
- 広告ローダー: 記事3回読込 → 1回
- バックアップ: 1年半前の手動1個 → 自動(DB毎日×7世代・ファイル週1×2世代)
変わっていないもの(これも実測)
- 既存URL: 変更0件(変更前後で17ページのHTMLを機械比較し、差分は意図したタイトル修正4件のみ。うち3件は数字が抜けていたタイトルの補完)
- 記事本文: 編集0件
- カテゴリー構造: 変更0件
- 検索順位に効く保証: 何もない。クリック月2回のサイトの器を整えただけで、数字はこれから
Reproducibility — 再現する場合の注意
- テーマに「全記事へ一括反映される領域」があるかをまず調べる(SWELLなら著者ボックス+ウィジェット領域)。あるなら本文の一括編集は要らない
- 削除・統合・noindexは、Search Consoleのデータを見てから。放置ブログの記事分類は必ず「仮」に留める
- AIに本番を触らせるなら、(1)直前バックアップ (2)変更前HTMLの保存 (3)変更後の機械比較、の3点セットを先に作る。ただしこれで防げるのは「変更したページの事故」だけです。うちはAboutページの破壊を数分で検知できた一方、同時に起きた別記事の本文破損は10日間気づけませんでした。変更していないはずのページも含めて、全記事の本文文字数を機械的に一覧する工程を足すべきだったというのが今の結論です
- 私の環境依存の部分: SWELL・エックスサーバー・Site Kit接続済み。テーマが違えば「一括反映される領域」の場所も変わる
追記(2026-08-23)— 公開までの10日間に分かったこと
この記事は2026-08-13に書き終えてから、下書きのまま10日間止まっていました。その間にサイトの実測をやり直したところ、本文の記述を更新すべき点が出たのでまとめて追記します。
- 本文が壊れた記事を1本見つけました。上の「What failed」に追記したとおり、
/ai-agent-guide-2026/の本文がDB上でundefinedになっていました。08-23に復旧(419字→4,721字)。あわせて、アフィリエイトリンクに広告表記が無かった問題も修正しています - 重複記事1組を統合しました。本文で「削除・統合は後回し」と書きましたが、完全に同一タイトルの1組だけは08-23にcanonicalで統合しています(URLは変更していません)
- 構造化データをさらに1系統へ。テーマとSEOプラグインの両方がJSON-LDを出していて、同じページに著者エンティティが2種類(URLもjobTitleも違う)ある状態でした。テーマ側の自動生成を停止して1系統に統一しています
- 読者はGoogleではなくBingから来ていました。直近28日でBing 24セッション / Google 5セッション。Bingでは1位を取れている記事もあります。「Googleのクリックが0」という数字だけを見て「誰も来ていない」と判断しかけたのは、私の測定漏れでした
器を整えた直後に「終わった」と思わず、10日後にもう一度実測する。これが今回いちばん効いた手順でした。
30日後に測るもの
2026-09-22頃(この記事の公開から30日後)に追記します。実験の実施は2026-08-13、公開は08-23なので、起点は公開日に合わせます。公開時点の中間値: 直近11日のGoogleクリックは0。器の整備だけでは検索に効いていません。
- Googleの表示回数・クリック(起点: 2026-08-23実測で 直近29日 391表示・2クリック/平均掲載順位73.2)
- Bingのセッション(起点: 28日で24セッション。実はこのサイト、Bingの方がGoogleの約5倍読者が来ています)
- エンゲージメント率(起点: 28.7%。全画面広告を切った影響が出るはず)
- AdSense収益(起点: ¥3/28日。減っても許容と判断済み——読書体験を優先)
- スパムの再流入数(対策後に何件来るか)
次の実験
母艦はできた。次は中身です。実際に手を動かした記録は Build / Experiment に集めています。この記事自体が「1つの一次情報をBlog / note / X / YouTube / 縦動画へ展開する」PoCの第1号になっています。その結果(各媒体の反応・かかった工数)は手元で記録しています。
この記事の一次情報・作業ログはすべてGit管理されており、数字は作業時の実測記録から転記しています。
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